オラトリオ
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オラトリオ(伊:oratorio, 羅:oratorium)とは、1640年頃、イタリアで始まったクラシック音楽における楽曲の種類、ないし曲名の一つ。日本語では聖譚曲と呼ばれる。バロック音楽を代表する楽曲形式のひとつである。ラテン語オラトリオと、イタリア語やドイツ語、英語などを用いた俗語オラトリオがある。ラテン語オラトリオは17世紀にのみ見られる。
オラトリオとは本来、祈祷所を意味し、教会や修道院に設けられた、祈祷用の部屋をいう。対抗改革で聖職者と信徒が祈祷所に集まり、祈祷・説教・聖書の朗読・宗教曲の歌唱からなる宗教的修養を行う習慣が出来た。修養は礼拝ではないため、形式が自由であり、世俗曲の形式が取り入れられた。修養にカンタータやマドリガーレなどを取り入れたことが、オラトリオ形式を生んだ。
元来はローマ・カトリック教会の宗教曲であるが、聖書などから取った台詞を多用し、さまざまな曲をあわせたことによる豊かな描出力が好まれ、18世紀には、聖書物語などすでにオラトリオと似たような宗教曲をもっていたドイツの作曲家たちにも取り上げられるようになった。18世紀のオラトリオ形式は、ナポリ楽派の影響を受け、オペラと同様の音楽形式をもつようになった。形式の類似性のため、ほとんどのバロック・オペラ作曲家は、オラトリオも作曲している。
典型的なオラトリオは、次の特徴を持つ。
なおオラトリオと類似した形式であるが、キリストの受難を扱うものは一般に受難曲と呼ばれる。
カンタータの中でもキリスト教的な題材によるカンタータである教会カンタータはオラトリオと区別がしがたいことがある。
20世紀以降、黛敏郎によるオラトリオ『日蓮聖人』『京都1200年 伝統と創生』や ショスタコーヴィチによる合唱曲『森の歌』のようにキリスト教的宗教色が認められないものもあるが、楽曲形式において類似性があるということで作曲者自らがオラトリオと位置づけた曲もある。
主なオラトリオ
- アントニオ・ヴィヴァルディ 勝利のユディータ
- ヘンデル:メサイア(ハレルヤ・コーラスを含む)、サムソン、ユダス・マカベウス
- J・S・バッハ:復活祭オラトリオ、昇天祭オラトリオ、クリスマス・オラトリオ
- ハイドン:天地創造、四季
- ベルリオーズ:キリストの幼年時代(宗教的三部作)
- メンデルスゾーン:パウロ、エリヤ
- エルガー:ゲロンティアスの夢、生命の光、神の国、使徒たち
- ストラヴィンスキー:エディプス王(オペラ=オラトリオ)
- ウォルトン:ベルシャザールの饗宴
- フランツ・シュミット:7つの封印の書
- ステヴァン・フリスティッチ:ハリストス(キリスト)の復活

