橋本萬太郎
橋本萬太郎(はしもとまんたろう、1932年-1987年)は日本の言語学者である。中国語の研究から、類型論と言語地理学を結び付けた言語類型地理論を提唱した[1]。
目次 |
経歴
東京大学博士課程を修了後、オハイオ州立大学で言語学の博士号を取得した。ハワイ大学助教授、プリンストン大学準教授、東京外国語大学助教授を経て、1973年から同大学教授となり、終生その職にあった[1]。
妻の余靄芹 (Anne Oi‑kan Yue‑Hashimoto) も言語学者である。
研究
橋本はシナ語派の諸言語を精密に観察し、海南島で話される言語が閩語の一種であることを明らかにした。
また、粤語から北方方言に至る中国の諸言語において、南ほどタイ・カダイ的で、単音節語が多く、声調が多く、SVO型であり、北ほどアルタイ的で、多音節語が多く、声調が少なく、SOV型であることを指摘し、古代漢語から現代漢語への変化が、南から北への変化と等しいことを示した[2]。例えば以下の古代と現代の文では語順が全く異なる。
そしてこれを、中国大陸では古代から一貫して北から南への人口移動があり、中国語自体が北方化したためであるとした。
また、漢字が北方を中心とする周圏分布をなすことを示した[2]。古代漢語、粤語、日本語で「目」、「口」、「食」、「飲」と書くところを、現代北方語では「眼睛」、「嘴」、「吃」、「喝」と書く。
記念賞
国際中国語言学学会 (International Association of Chinese Linguistics, IACL) では、橋本を記念して橋本萬太郎歴史音韻学賞 (Mantaro J. Hashimoto Award) を設けている[3]。
参考文献
- ^ a b 中嶋幹起 (2001), "橋本萬太郎", 言語の 20 世紀 101 人, 東京: 大修館書店
- ^ a b 橋本萬太郎 (1978), 言語類型地理論, 弘文堂, ISBN 978-4-335-56031-6
- ^ The IACL Awards, International Association of Chinese Linguistics. 2008-07-14 閲覧
