SAYURI
| SAYURI Memoirs of a Geisha |
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| 監督 | ロブ・マーシャル |
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| 製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ |
| 脚本 | ロビン・スウィコード ダグ・ライト |
| 出演者 | チャン・ツィイー 渡辺謙 ミシェール・ヨー 役所広司 工藤夕貴 桃井かおり コン・リー 大後寿々花 |
| 音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
| 撮影 | ディオン・ビーブ |
| 編集 | ピエトロ・スカリア |
| 配給 | ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント (アメリカ) ブエナビスタ、松竹 (日本) |
| 公開 | 2005年12月9日 (アメリカ) 2005年12月10日 (日本) |
| 上映時間 | 146分 |
| 製作国 | アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| allcinema | |
| Variety Japan | |
| allmovie | |
| IMDb | |
『SAYURI』(Memoirs of a Geisha)は、2005年のアメリカ映画。1997年にアメリカ合衆国で出版されたアメリカ人作家のアーサー・ゴールデン (Arthur Golden) による小説「さゆり」を原作とした作品である。
監督はロブ・マーシャル、主演はチャン・ツィイー。第二次世界大戦前後にかけて京都で活躍した芸者の話である。第78回アカデミー賞で6部門ノミネートされ、3部門で受賞した(この年の最多受賞タイ)。
目次 |
あらすじ
1929年、日本の貧しい漁村の9歳の少女千代が京都・祇園を模した架空の町、花街の置屋に売られ、厳しい生活の中で人気芸者に成長していく女性の生涯を描いた物語。背景に第二次世界大戦の戦時色が日本を包み、敗戦後の社会の変化によって影響される人生と運命を表現している。
キャスト
※()内は日本語吹替え
- さゆり - チャン・ツィイー(土居裕子)
- 少女時代 - 大後寿々花
- 会長 - 渡辺謙、
- 初桃 - コン・リー(湯屋敦子)
- 豆葉 - ミシェール・ヨー(唐沢潤)
- 延 - 役所広司
- おかあさん - 桃井かおり
- おカボ - 工藤夕貴
- 男爵 - ケリー・ヒロユキ・タガワ
- 鳥取少将 - ケネス・ツァン
- おばちゃん - ツァイ・チン
- サカモト - マコ岩松
- - 舞の海
- - テッド・レヴィン
- - ダイアン・ミゾタ
キャスティングにまつわる論争
多くの人々が、中心人物を日本人が演じないことに驚いた。キャスティングは奈良橋陽子が担当しているが、主演のチャン・ツィイーとコン・リーは中国人、ミシェル・ヨーはマレーシア人である。
また、このキャスティングは中国のインターネット・コミュニティーで物議を醸した。中国政府と一部の煽動により反日感情が伴って喜ばしく思わない人々がいたのだが、特に芸者を売春婦と誤解していることも原因のひとつである。
昔の中国には、芸者と同様の職業が存在している。 彼女たちは芸術、文学、歴史、社会慣習に通じていた。売春宿に住んではいたが、体を売って生活していたわけではなく、音楽やチェス、書画などで男性のゲストをもてなしていたのである。中国語ではこれを"賣藝不賣身(体の代わりに芸を売る)"と呼ぶ。彼女たちは高度に洗練され、名声がある(無数の中国の詩歌、文学、伝説、民間伝承に登場する)一方、日本の芸者のような地位を得ることはなく、この文化の違いに馴染んでいない人々が、芸者を否定的に誤解したのである。
これは、芸者に対する中国語の名称で説明される。 日本語では"芸者"と書かれるが、中国語では"藝伎/艺伎"と書かれる。しかし、多くの人が、故意ではないにしろ(過激な国家主義者の場合は故意にだが)、"藝妓/艺妓"と書く。この二つの非常によく似た文字 "伎" と "妓" の現代中国語のおける違いは、前者が芸術、技術の専門家を意味し、後者は売春婦を意味する点にある。 しかしながら、古典中国語では両方とも正しく、ともにチャン・ツィイーが「LOVERS」で演じたような、音楽と踊りで男性客をもてなすことを職業とする女性を表すのに使われた。文化の特定の一部分であることと"妓"の意味が変化したことは、中国の人々にとって、「チャン・ツィイー、コン・リーが日本関係の映画に出演するのはかまわない(実際チャン・ツィイーは、鈴木清順監督作『オペレッタ狸御殿』で主演している)が、売春婦役は受け入れられない」という間違った議論を招いた。この為、中国での反日感情を煽るとの理由から中国での同映画の上映中止が決まった。(しかし、中国の街角ではDVD化された本作品が5元で売られ、大量に流通しているのは皮肉である。)
否定的な反応の一部は、「中国映画では、有名女優が売春婦を演じることは比較的稀なためである」という意見もある。香港でさえ、ミシェル・ヨーは、「なぜこのような選択をしたのか」と彼女に問いつめるリポーターに囲まれた。(しかし、たとえばセシリア・チャンが「ワン・ナイト・イン・モンコック」(2004年)で売春婦を演じたときは論争はなく、大部分の中国人は気にしなかった。)
アメリカでも批判が起き、「日本を舞台にした映画で、日本人が主人公なのに日本人を使わないのか」「主人公は日本人でハリウッドデビューを果たした栗山千明や小雪を使うべきだった」という意見もあった。 ただし、ハリウッド映画に俳優として出演するためには、アクターズギルド(映画俳優組合、SAG)の所属実績があり、かつ映画のバジェット(制作規模)に応じた俳優ランクを持つ必要がある。 現時点では、ほぼ無条件で主役の候補となれるAランクの日本人女優は存在しない(男性は存在する)ため、キャスティングに口を挟めるレベルまで日本側の出資者が出資しない限り、主役に日本人女優が採用される可能性は、現状ではまずない。 (ハリウッド映画の俳優は、A~Dの4段階にランク分けされており、Aランクがいわゆる100万$スター及びそれ以上であり、Dランクが最下位のクラス(日当1万円弱)である。 ちなみに、アクターズ・ギルドでは、基本的にハリウッド以外の映画への出演経験は評価の対象とはしない。例えば、北野武は米国で映画を撮影する際に、監督と俳優の両方のギルドに申請したところ、欧州での評価や受賞歴は殆ど評価されず、監督・俳優ともCクラスだった。)
日本の芸能人に「ハリウッドデビューを果たした」という者がよくいるが、それは単に「プロデューサーや出資者の希望による、営業上の都合で特別出演している段階」に過ぎない。この場合、俳優ランクは、Cランクで登録されることが多い。 これは、アクターズギルドは、所属する俳優たちの給与の水準と序列を保証するために、A~Dの各ランクの標準から外れた給与の増減を認めないため、日本人俳優の給与水準を保証するという理由から、実績としてはDランクでも便宜上Cランク俳優として登録することを容認しているに過ぎないのである(もちろんエージェントに交渉能力がなければ、日本でいくら有名であろうがDランクからのスタートになる)。 そのため、「ハリウッドデビューを果たした」としても、現地で出演実績を積み重ねない限りは、いつまでもCランクやDランクの端役のキャストやエキストラのままに過ぎないのが現実である。
中国人女優への芸者からの贈り物
この映画のプロモーションで東京を訪れたチャン・ツィイーは、かつて芸者をしていた年配の日本人女性から包みと手紙を受け取った。手紙には彼女が映画の予告編を見て、彼女と彼女の友人に古き良き思い出を思い出させてくれることを期待しているということが書かれていた。包みの中には非常に優美な着物が入っていた。チャン・ツィイーはとても感動し、涙を流し、この女性に上映初日の招待状を送った。さらに彼女への感謝の意を表すために、このうちの一着を着ることを約束した(The Star Onlineより)。
脚注
参照
関連映画
関連書籍
- Memoirs of a Geisha (Vintage ISBN 0-09-977151-9)
- さゆり 上(文春文庫 ISBN 4-16-766184-5)
- さゆり 下(文春文庫 ISBN 4-16-766185-3)
外部リンク
- SAYURI 公式サイト
- Memoirs of a Geisha - Zhang Ziyi at HelloZiyi.us チャン・ツィイー公式サイトによる本作の情報ページ
